施錠開け被害を防止する4つの秘密と1つの王道

空き巣が犯行を行う際に使う侵入手段と言えばガラス破りが有名な方法です。ガラス破りでの侵入は、素早く犯行を終えたい空き巣にとっては最適な手段になります。

しかし、ガラス破りで侵入しようとすると、窓を割る音や衝撃によって犯行に気付かれてしまう危険性があります。そのため、空き巣はガラス破りのほかに、施錠開け・ドア破りと呼ばれる方法で侵入をします。

施錠開け・ドア破りは、ガラス破りに比べると侵入するまでの時間は長くなりますが、ガラスが割れるようなこともなく気付かれにくい特徴があります。ガラス破りより侵入するまでの時間が長くなるとはいえ、施錠開けに対応していない鍵であれば1分ほどあれば解錠されてしまいます。

施錠開け・ドア破りでの侵入手段は事前に対策しておけば、被害にあう前に防ぐことができます。

住宅別の空き巣の侵入手段

ガラス破り無締り施錠開けドア錠破りその他
一戸建住宅60.9%30.1%3.6%2.8%2.6%
中・高層住宅21.4%44.8%31.7%0.7%1.4%
その他の住宅28.4%57.4%12.0%0.6%1.5%

【参考】28年 警視庁発表資料

住宅別の侵入手段を見てみると、一戸建住宅はガラス破りでの被害が多く、中・高層住宅、その他の住宅を見てみると無締りが多いのがわかる。

では、施錠開けの被害はどうなのか見てみると、一戸建住宅は3.6%と被害は少ない。ピッキング被害の多かった平成15年ごろと比べると、一戸建てに住んでいる人の空き巣への危険意識が増えたことが被害の低下に関係している。

続いて、中・高層住宅を見ると、31.7%と約3割が施錠開けの被害によるものだとわかります。(中・高層住宅とは、主にマンションに住んでいる人のことです)

一戸建住宅に比べると非常に高い数字になっています。これはマンションに住んでいる住民が、マンションならば空き巣被害にあうことはないだろうと安心しきっている証拠です。

マンションに住んでいるから安全ということはありません。空き巣は一戸建てだろうがマンションだろうが関係なく犯行を行います。このデータを見る限り、最近の空き巣はあえて中・高層住宅を狙っているようにも思えます。

施錠開け・ドア破りの方法と事前の防止策

ここからは施錠開け・ドア破りによる侵入方法を紹介します。

いまだに多くの被害を出し続けている施錠開け・ドア破りですが、きちんと対応策が存在しますので安心してください。

ピッキング

ピックと呼ばれる金属製の特殊工具を使った方法です。

ピッキング被害にあったことのない人でも、大体のイメージがつくのではないでしょうか。ピックと呼ばれる特殊工具を鍵穴に入れ、錠を解錠する手段です。手慣れれた人間ならば1分もかからず解錠してしまいます。

防止策:ピッキングに強いシリンダーに変更する

今では製造中止になったため見かけることも少なくなっていますが、ディスクシリンダーのようなピッキングに弱いシリンダーがついているドアならば、ディンプルキーなどピッキングに強いシリンダーに変更するだけで効果的な防犯対策になります。

最近では、ピッキング被害自体が減少傾向にありますが、まだまだ毎年のように被害がでているので注意しましょう。

サムターン回し

郵便受けから手を入れ、室内側についている鍵を直接回して扉を開ける方法です。

非常に単純な方法ですが、鍵穴に傷をつけるわけでもなく、侵入した痕跡を残さず侵入することができます。今でも毎年のように多くの被害が出ています。

郵便受けから手を伸ばす方法だけでなく、ドリルなどを使って扉に直接穴を開け、その穴から手を入れて室内側の鍵を開けるという強引な方法で侵入してくる空き巣もいます。ドリルで穴を開けられ、侵入された被害者の中にはドアを丸ごと交換したケースも存在します。

防止策:専用の防犯グッズを取り付ける

サムターン回し防止専用の防犯グッズが販売されています。室内から鍵を触られても、簡単には回らない細工をしています。室内側の鍵にスイッチがついていて、そのスイッチを押しながらでないと鍵が回らないものや、室内側の鍵にカバーを被せるような商品もあります
たくさんの種類があり、購入金額も安い物ならば数百円で購入でます。

カム送り(バイパス解錠)

古いタイプの扉にはシリンダーリングを引っ張ることにより、シリンダーが浮き隙間ができる扉が存在します。この隙間から直接特殊工具を使用し解錠をする方法です。

カム送りの被害が気になる方は、試しにシリンダーリングを引っ張ってみてください。シリンダーが浮き隙間ができてしまうようならば、被害にあう前に錠の交換をしましょう。

※警視庁発表により、カム送りで解錠できる商品を該当危険機種とし2002年に発表しました。

メーカー表記
HORI1210,1310,1110,1171,1311-64,1311-51,1311-38
GOALASLX,HD
MIWALAMA,LASP,LD,LDSP,BH,BHSP
SHOWA535(535D)397,CL-30

警視庁発表「該当危険機種」

防止策:本体を交換する

カム送りはの被害はシリンダーの隙間を塞ぐことで解決する。さまざまな方法でシリンダーに隙間ができないようにできるが、シリンダーが浮くということは、錠自体が古いタイプの可能性が高いことになります。ならば他の施錠開けの被害のことも考え、錠本体を新しいものに交換するのが一番の防止策と言えるでしょう。

ドアのこじ破り

こちらは名前の通りドアをこじ破って侵入をする方法です。

ドアと壁の隙間にバールなどを差し込み、てこの原理を利用してドア錠を破壊します。名前からして強引そうな方法ですが、想像通り乱暴で原始的な手口です。

この方法の一番の特徴は、どんな防犯性能が高い錠でも関係なく侵入されてしまうことです。錠の交換だけでは防犯対策できないため非常に厄介な方法です。

もう一つ厄介なことと言えば、ドアのこじ破りで被害にあうと、当然ドアは使い物にならなくなります。金品が奪われるだけでなく、ドアの修理台もかかってしまいます。

防止策:ドアプレートを取り付ける

こじ破りを防止するために、専用のドアプレートを取り付けましょう。

ドアプレートを取り付けることにより、ドアにできている隙間を埋めバールなどが入る隙間をなくします。取り付け方法もドライバー1本で取り付け可能な商品が多く、ほとんどのドアに取り付け可能になっています。

施錠開けの対策はしているけど、こじ破りの対策をしていない方は試してみるとよいでしょう。

施錠開けの被害は減少しているが・・・

H.17H.18H.19H.20H.21H.22H.23H.24H.25
施錠開け全体13,64010,5168,0186,0714,1573,5913,5493,2873,038
ピッキング1,9551,40664132310192854128
サムターン2,9382,6101,6521,118488364348283234

【参考】警視庁発表資料

「防犯性能の高い建物部品の開発」「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」などにより、施錠開けによる被害は減少傾向にあります。これから先も、施錠開けによる被害は少なくなると思います。

しかし、1つ言えることは、減少傾向にあるだけで被害が0になっているわけではないということです。

空き巣の侵入手段も昔に比べると変わってきていますし、防犯性の高い部品が開発されても、それを簡単に解錠する知識を得ているかもしれません。そうなったとき被害にあわないよう効果的な防犯対策が必要になってきます。

王道の防止策はワンドアツーロック

施錠開け・ドア破りの方法と防止策を紹介しました。

それぞれの特徴にあわせた方法で対策していくのも良いですが、すべての手口に効果的な王道とも言える防止策があります。

それは、ドアに鍵を2つ付けることです。

そんな単純なことで防止できるのかとなりますが、警視庁発表の資料に興味深いデータがありました。

空き巣被疑者に聞き取り調査したところ「侵入に5分以上の時間がかかると、約7割が侵入をあきらめる」というデータです。

ということは、犯行に5分以上かかるような防犯対策をすれば良いということです。鍵を2つ付けることにより施錠開けにかかる時間は1つ解錠するときよりも2倍になります。

侵入を考えている空き巣も、鍵が2つ付いている家より、1つしか付いていない家に狙いをつけるのは自然なことです。

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