子供の誘拐なぜ起きる?誘拐手口から考える子供連れ去り事件を防止する4つの対策

2016年の警視庁の調べによると、犯罪認知件数は15年前から減っていることに対し、未成年を狙った略奪誘拐(連れ去り事件)は2013年以降増え続けています。

さらに、平成26年には、子供(13歳未満)の連れ去り事件の認知件数が9年ぶりに100件を超えています。この100件という数字は警察が認知している数字であって、実際の被害件数はこれを上回ると言われています。

子供を育てている親であれば、もはや他人事と言っていられない状況になっているのは間違いないです。

被害者の子供は自分からついていく

『あやしい人に声を掛けられてもついていかない』

子供を育てている親であれば一度は口にしたことのあるフレーズです。反対に子供も何度も耳にしているフレーズだと思います。このように、何度も教えている、聞いているはずなのに連れ去り事件は後を絶ちません。

連れ去り事件の大半は、子供が自らついていくことがわかっています。

「お菓子をあげるから付いておいで」

今の時代では少なくなっていますが、連れ去り事件の手口としては最も有名なフレーズではないでしょうか。こんな単純な手口を使う犯人は今は少ないですが、このようなことを言って子供が自らついてくるように誘導しているのです。

純粋な子供の気持ちにつけこんだ手口

連れ去り事件の手口には、『子供の意識を引き付ける』という共通点があります。

例えば

  • 「お菓子をあげるからついておいで」
  • 「今から遊園地に一緒に行こう」
  • 「おじさんに道案内をしてよ」

と純粋な子供の気持ちを利用した手口が多くみられます。主に子供の興味を利用し誘導する手口です。

このような手口は普段から親に危険だと教えられていることが多いこともあり今では少なくなった手口です。しかし、少なくなったからと言っても安心せず十分気を付けなくてはいけません。

不安な気持ちを利用した手口

子供の興味を引く手口以外には、『子供の不安な気持ちにつけこんだ手口』があります。

例えば

  • お母さんが事故で大変だから一緒に病院へ行こう
  • お父さんが病気で亡くなったから急いで
  • お兄ちゃんが学校で大変だから車に乗って

このように、家族が危険な状態であることを伝え、不安感を煽り冷静さをなくす手口です。「~だから急いで」など、とにかく今すぐ行かないと大変なんだと思わせることが、この手口の一番の危ないポイントです。

不審者に話しかけられたときの4つの対策

こちらがいくら気を付けていても不審者がいつ話しかけてくるかわかりません。

もし、話しかけられてしまった場合のことを考え、子供にはしっかり断り方を教えておきましょう。

機能で選ぶ?料金で選ぶ?防犯ブザーを選ぶときの4つのポイント

どんな状況でも断れる準備をしておく

子供は純粋です。家族が危険な状態なんだと言われてしまえば、いくら知らない人間とはいえ信じてしまうことがあります。どんな状況になっても知らない人にはついていかないよう事前に教えておくことが大切です。

例えば、万が一家族の身に危険が生じた場合には「○○おばちゃんから連絡がくるから、それ以外の場合は絶対に信じてはいけない」など、家族の間で決まり事を決めておくことで、連れ去り事件の危険から逃れることができます。

ママとパパが後で謝りに行くから大丈夫

連れ去り事件の手口には、「○○くん、久しぶりだね。○○おじさんだよ。覚えているかな」と親戚を装って近づいてくる場合もあります。

子供からしたら全く覚えのない人でも、「僕が覚えていないだけだ。親戚のおじさんに失礼なことをしたら後でお母さんに怒られる」と考えてしまうこともあります。

子供には、『親戚だろうと誰だろうと知らない大人とは話してはいけない』ということをはっきり伝えましょう。もし、その人が本当に親戚のおじさんだったとしても「ママとパパが後で謝りに行くから大丈夫だよ」と教えてあげれば子供も安心して行動することができます。

車から話しかけられた時の対処法

連れ去り事件は、車を使用しての犯行が最も多いとされています。

そのため、知らない人に車から声を掛けられた場合は十分注意しなくてはなりません。注意というよりも『絶対に危険だ』と割り切って考えたほうが良いでしょう。

過去には、親が数十秒目を離した隙に子供が連れ去られた事件がありました。犯人が必ずしも声を掛けてから連れ去るとは限りません。子供を強引に持ち上げて車の中に連れていく犯行もあります。

まず子供に教えることは、『車が近づいて来たら警戒すること』と教える必要があります。もし、車に乗っている人間に話しかけられたら、『話しをせず、とにかく逃げること』も同時に教えましょう。

車の進行方向とは逆に逃げることが大事

車に乗っている人間に話しかけられたら、とにかく逃げることが大事と言っても相手は車です。大人の走るスピードですら簡単に車は追いつきます。それが子供であればなおさら簡単に追いついてしまいます。

車に乗っている人間に話しかけられた場合の対処法は『車の進行方向とは逆に逃げる』です。

車と同じ方向に逃げたとしても簡単に追いつかれてしまいます。しかし、車の進行方向とは逆に逃げた子供を追いかけるには、車をUターンさせて追いかけなければなりません。進行方向とは逆に逃げるだけで数秒間の時間を稼ぐことができます。たった数秒と思うかもしれませんが、この数秒がとても大事なのです。

この稼いだ数秒の間に狭い路地など、車が簡単に入ってこれない場所に逃げ込むことで危険を回避することができます。

逃げるときは荷物は置いていく

小学生のカバンと言えばランドセル。ランドセルには学校で使う大切な教科書やノートが入っています。その他に小学生の荷物というと体操服や上履き、夏場では水着なんかも学校で使う大切な荷物です。

もし、学校の帰り道で不審者に声を掛けられ逃げる状況になったとします。そんなときは迷わず荷物を置いて逃げるように教えましょう。

荷物を置いて逃げることで、荷物を持っているときに比べ身軽になり、素早く逃げることができます。『車の進行方向と逆に逃げる』と同じように、変わるのはほんの少しの差です。

しかし、いざという時には、ほんの少しの差が大きな差に変わることがあるのです。「あと少しの差で助かったのに・・」このようなことは十分あり得ます。

どんなに大切な荷物だろうと関係ありません。いざという時には必ず荷物を置いて逃げるように教えましょう

誰でも良いから助けを求める

連れ去り事件の被害にあわないためには『変だなと感じたらにすぐに逃げる』ことが非常に大事になります。

この『逃げる』という意味は走り続けるということではありません。子供の足で長時間走り続けることは無理です。追いかけられてしまえば捕まるのも時間の問題です。

ここでの『逃げる』の意味は、『誰かに助けを求める』という意味です。

友達の家が近くにあるなら迷わず駆け込むべきです。友達の家でなくても、お店や交番、人がいる場所ならどこでも良いです。とにかく誰でも良いので助けを求めましょう。走って逃げる際、「助けてー!!」など大きな声を出しながら逃げるのも有効な対処法です。

万が一誘拐されてしまったときは

万が一誘拐されてしまった場合のことも考えておいたほうが事前に対策をしておくことができます。

外務省が広報している「海外における脅迫・誘拐対策Q&A」という資料があります。資料の内容は海外における誘拐事件の対処法について書かれていますが、日本国内で誘拐事件に遭ったときの対処法としても十分参考になる部分がありましたので一部紹介します。

逃亡は、100%成功するとの確信がない場合には行うべきではなく、僅かなチャンスしかない時に大胆な行動をとれば犯人により殺害されかねません。

誘拐事件の犯人の主たる目的は人質の殺害自体ではない場合が大部分であることをよく理解した上で慎重にかつ忍耐強く行動することが大切です。

引用元 海外における脅迫・誘拐対策Q&A

ここで記載されているのは必ずしも逃げることが1番ではないということです。逃げようとしたことで誘拐犯が興奮しさらに危険な状態になる可能性があります。

恐怖から思わず逃げ出したくなったとしても助けが来ることを信じ犯人の指示に従い生き残ることが誘拐された場合には最も重要なこととなります。

GPS搭載の携帯用通報端末の重要性

万が一誘拐されてしまった時の対処法は犯人の指示に従い生き残るでした。

しかし、犯人の指示に従っていれば必ず生き残ることができるとは限りません。誘拐犯が殺害を目的で誘拐している場合も当然あるということを理解しておきましょう。

何が目的であろうとどちらにせよ誘拐されてしまった場合には1秒でも早く子供を助けなくてはなりません。

しかし、1秒でも早く助けるといってもどこに監禁されているかわからなければ助けることができません。大勢の警察が捜索をしても1度誘拐されてしまえば子供の居場所を探し出すことは簡単ではありません。

そんなとき、子供にGPS搭載の携帯用通報端末を持たせておくことができていれば居場所を特定しやすくなります。さらに、端末には通報機能などの機能も搭載してあるため子供自身が危険を感じた時に対処することもできます。

子供が誘拐事件に巻き込まれないのが1番ですが、もしもの場合を考え子供にGPS搭載の携帯用通報端末を持たせることは非常に重要なことになります。

GPS搭載の携帯用通報端末についてよく知らないという方は「まもるっく」と「ココセコム」を口コミ・評判から徹底比較!子供と高齢者のための防犯グッズで詳しく説明しているのでご覧ください。こちらの記事では大手警備会社のセコム、アルソックが提供しているGPS搭載の携帯用通報端末を紹介しています。

連れ去り事件の危険を理解するのはあなたではない

ここまで、この記事を読んでいただいた方は連れ去り事件の危険性や対処法を理解できたと思います。

しかし、危険性や対処法を一番理解しなくてはならないのはあなたの子供です。日頃からいろんな状況を会話でシミュレーションして子供に危険性や対処法を理解させるようにしましょう。

シミュレーションも一度したくらいでは理解できません。1~2ヵ月に1度は家族そろって『もしもの時』の対処法を話し合う時間を作りましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.