あなたは火災警報器についてどれくらい理解していますか?
火災警報器の設置が義務付けられているから、なんとなく設置しているなんてことではいけません。火災警報機を設置することにより火災が起きた時のリスクを大幅に軽減することができます。
リスクを軽減できると言っても火災警報器について理解していなければ、いざという時に適切な行動ができなくなります。
住宅火災から家族を守るために今一度火災警報器について理解しましょう。
目次
火災警報機ってなに?
火災警報器とは、煙または熱を感知した場合に作動する防災機器です。
2006年には消防法が改正され、すべての住宅に火災警報機の設置が義務付けられました。消防法が改正された背景には住宅火災の死亡要因が大きいとされています。
近年、住宅火災で死亡した要因として最も多いのが『逃げ遅れ』ということがわかっています。
また、住宅火災による死者を年齢別に見ると圧倒的に65歳以上の高齢者ということもわかっており、今後さらに高齢化社会が進むにつれて死者の増加が懸念されています。
火災警報機を設置することで火事を防げるのか
よくある質問で「火災警報機を設置することで火事を防げるか」というものがありますが、結論から言うと『火事は防げない』です。
火災センサーが反応して早期消火したことにより大火事にならなかったということはありますが、基本的に火災警報機の役割は『逃げ遅れをなくす』ためにあります。
火災警報機が鳴ったことにより火の元を発見できたとしても、基本的には『逃げる』ことを第1優先にしましょう。
火災警報機の仕組み
火災警報機は大きく分けて2種類あります。
熱を感知する熱式センサー、煙に反応する煙式センサー。2つのセンサーは感知するものが異なるため設置場所などにも気を付ける必要があります。
熱式センサー
センサーの周囲の温度が上昇すると警報が鳴る仕組みになっています。
調理中に出る煙や湯気に反応しないため台所などに設置することの多いセンサーになります。
煙式センサー
大量の煙を検出することにより警報音が鳴るセンサーになります。
特別な場合を除いては熱式センサーではなく、煙式センサーの設置をするのが基本となります。
熱式センサーより煙式センサーを設置する理由
『熱式センサー』『煙式センサー』どちらも火災が起きた時には警報音が鳴ります。この点だけ考えるとどちらのセンサーを設置しても変わりないように感じますが、実は大きな違いがあります。
火災が起きた時にいち早く感知し警報音が鳴るのは煙式センサーです。
熱式センサーの場合、センサーの周囲の温度が一定まで上昇しなくてはなりません。火災が発生した場所によっては温度が上昇するまで時間がかかり、火災の範囲が広がった後に警報音が鳴るということがあります。
煙式センサーの場合、火災の初期から発生する煙を検出できるため、火災発生から警報音が鳴るまでの時間を早くすることができます。
火災警報機はどこに設置する?
火災警報器は各市町村の火災予防条例で定められた場所に取り付ける必要があります。また、建物の作りによっても設置場所が変わります。
さらに、全国共通で『寝室』『寝室がある階の階段』には原則として煙式センサーを取り付けることが決められています。
寝室・階段に火災警報器を設置する理由
ほかの部屋と違い、なぜ寝室と階段に火災警報器の設置が義務付けられているのかというと『逃げ遅れ』を防ぐためです。
住宅火災の死者数について調べると、日中に比べ深夜の時間帯のほうが圧倒的に死者数が多いことがわかっています。
なぜ、深夜のほうが死者数が多いのか。
それは『寝ているときに火災が起きているのに気づかず逃げ遅れてしまった』ということが最も多い原因となっています。この、就寝時の『逃げ遅れ』を防ぐために寝室への設置が義務化されています。
階段に設置する理由も同様に『逃げ遅れ』を防ぐためです。
2階建て以上の住宅で火災が起きたとき、煙は階段を通じて上へ登っていきます。火災に気づくことができなければ上階の部屋に煙が充満し避難することが困難になります。この時、階段に火災警報器が設置してあれば煙が上階へ上っている段階でセンサーが反応しいち早く避難することができます。
こうした理由から、『寝室』『寝室がある階の階段』には火災警報器の設置が義務付けられているのです。
火災警報器を設置するときの注意点
火災警報器は次のような場所には設置してはいけません。
- 石油ストーブの近くなど水蒸気が発生する場所
- 浴室など水がかかりやすい場所
- 換気扇やエアコンの近くなど空気の流れが激しい場所
- ほこりや虫が多い場所
このような場所に火災警報器を設置すると、正常にセンサーが働かなくなる恐れがありますので十分に注意しましょう。
火災警報器の機能について知っておくこと
火災警報器を選ぶうえで必要な機能を紹介します。
ホームセキュリティサービスを提供しているセコムやアルソックでは、こちらの機能が備わった火災センサーを取り扱っています。
連動型火災センサー
連動型火災センサーは、1つの火災センサーが反応すると連動して他の火災センサーも作動する機能です。
1ヵ所で火災が起きた場合でも家中に知らせることができるので『逃げ遅れ』のリスクを軽減することができます。
電池式の火災センサー
電池式の火災センサーを使用することにより、停電中に発生した火災も感知することができます。
また、電池式火災センサーを選ぶ際は、長期間電池交換が不要なものを選びましょう。セコムで取り扱っている火災センサーは、なんと10年間も電池交換不要となっています。
機器の異常を知らせる機能
火災センサーに異常があった時のために、異常お知らせ機能が付いているものを使用しましょう。
故障したことに気付かず、火災発生時に警報音が鳴らなかったなんてことにならないようにしましょう。
火災が起きた時にするべき行動
火災警報器が鳴り火災に気づいた時になにをしたほうが良いのか。
いくつか火災が起きた時にするべき行動をまとめてみました。
- 避難する
- 周りに大声で火災が起きたことを知らせる
- 119番通報する
- 可能な場合のみ初期消火をする
火災が起きた時にすることの第1優先は避難することです。当たり前のことですが自分の命を守ることが1番大切です。避難する際に大声を出すことで周りの人間にも火災が起きたことを知らせることができます。
可能な場合のみ消火活動をすると書いていますが、火災の範囲が広がっている状態での消火活動は危険なので絶対にやめましょう。あくまで可能な場合のみです。
自分の命が一番大事なことを忘れないようにしましょう。
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